第1回 村田翔平(東京大学 人体病理学 博士課程1年生)

週に1度、郡山の総合南東北病院に通っています。上野駅6時10分発やまびこ41号盛岡行に乗り込むと、郡山は思ったより近く、検体数に驚愕し、人々のパワーに脱帽し、駅弁には満足する、そんな水曜日です。百聞は一見に如かず、とは病理学を志す者にとって非常に大切な感覚だと思いますが、「つなぐ」はズバリ、現場を感じるプロジェクトではないでしょうか。

私は学生時代、むしろ病理を不得意としていました。わからないからこその「なぜ」が尽きず、春休みの実習をきっかけに親しみを感じ、初期研修後1年間、東大病院の後期研修医として病理部で学ばせていただきました。基礎の基礎を叩き込まれ、まだまだやっとひよっこレベルですが、今年は国立国際医療研究センターで集中的に診断のトレーニングをしています。解剖の経験値も上がってきて、だんだんと、目に見える所見から生体内での動きを想像できるようになり、プレパラートの上にうごめく不思議を見極められるようになってきて、こうなるともう、病理は益々面白くなるしかありません。いちおう、大学院に入っていますが、研究テーマは模索中で、診断の深みにハマっている段階です。

来年は大学院二年生として研究を開始し、「つなぐ」の活動も本格化して、三施設を回ることになります。施設が変われば人も異なり、提出されてくる検体も異なり、臨床科が求めてくる情報も異なります。患者さんの命運を分ける検体が行き交う現場を多く経験できることに、今から胸が高鳴ってやみません。