第2回 福島県立医科大学

病理病態診断学講座 橋本優子

福島県立医科大学 病理病態診断学講座です。来年開講70年を迎える本講座は、平成20年に基礎講座である第一病理学講座(人体病理学分野)から臨床系講座の病理病態診断学講座/病理診断科に改名・改編され、附属病院の病理部と一体で運営されています。
福島県は人口10万人あたりの病理専門医数が全国でも少なく、教員4名と専攻医5名で、院内および県内の病理診断業務、学生の教育、研究に一意専心しております。
開講以来、一貫して造血器疾患、リンパ・網内系疾患に取り組んでいますが、2011年の東日本震災以降は、甲状腺疾患の症例が蓄積されてきています。
これら疾患以外も様々な臓器/疾患について、病理標本を用いた解析(免疫染色、FISH、ゲノム解析等)や各種の実験的手法(細胞株、動物実験)を用い、病気の成り立ちについて検討しています。また通常の診断業務に電子顕微鏡も取り入れており、代謝性疾患、腎糸球体腎炎などの症例解析も行っています。
病理解剖には積極的に参加頂こうと思います。法医学教室と連携し、全例ではありませんが、死後CT画像を導入しており、その検討を始め、 全例のマクロ像、ミクロ像をそれぞれ検討する時間を設け(水曜午前Mmカンファランス)、県内の医療安全事故調査に関連した症例なども受け入れ、難解症例の検討も行っています。
昨年より福島県遠隔病理診断ネットワークが立ち上げられ、県内病理医不在ないし一人病理医の6病院と結び、術中迅速や通常病理診断の遠隔病理診断を行っています。

「つなぐ」プロジェクトに参加して、実際の福島県の病理診断の現場を確かめてみませんか? 
病理医を目指す皆さん、福島でお待ちしています!

法医学教室 黒田直人

福島でも死因究明の知識を身に付けるため、病理医を目指す皆さんに、法医学を学んで頂きます。
福島県立医科大学法医学教室では、下記の実習を基軸として研修を行う予定です。

  1. 法医解剖立会い訓練:病理解剖との違い(剖検時写真撮影、書類手続、検査の選択など)を学ぶ。
  2. 摘出脳の観察および標本採取(brain cutting):実際に自分で加割し、写真を撮影する。
    標本を採取し、染色法を指定し、鏡検する。
  3. 死後CT読影:死後CT所見と肉眼解剖所見とを比較する。

福島では2ヶ月間の短い間ですが、本プログラムを通じて、病理学と法医学間の人材交流が進み、新たな死因究明のチーム医療が実現するのではないかと、楽しみにしています。