第7回 山本周(東京大学 人体病理学 博士課程1年生)

学生時代に選択実習で病理部での実習をさせて頂く機会がありました。病理は難しく敷居が高いように当時も感じましたが、形態学に基づく系統的な分類が遺伝学的背景や疾患の予後に結びついており、またそれらの情報を統合することで疾患のより本質的な理解に近づこうとする病理学に面白さを感じました。そのころの経験がきっかけで、自分にできるだろうかという不安はありましたが、将来は病理診断に携わりたいと思うようになりました。

千葉県の国保旭中央病院で2年間の初期研修を行い、その後大学院に進学いたしました。2019年4月からは虎の門病院の病理診断科で診断業務の勉強をさせていただいております。まだ病理の世界に入って数か月しか経っておらず、苦労することも多いですが、新しい知識を得られることを楽しんでおります。

疾患は無数にあり、一つの疾患だけでも多様な組織像があり、考えるべき鑑別や行うべき染色、分子病理学的背景など覚えることは多く、はじめは全くわからない状態でしたが、実際に見た症例に関して本で調べたり悩んだりを繰り返すうちに、少しずつではありますが成長したような気がします。その日々の中で思うことなのですが、どの疾患も本で読んだだけではなかなか身につかず、実際に経験した症例をもとに勉強することでしか身につかないような気がしています(私の要領がよくないだけかもしれませんが)。実際に標本に出会えること、様々な症例を経験できる環境の重要性やありがたさを痛感しています。虎の門病院でも貴重な経験をさせていただいておりますが、やはりどんな施設であれ、施設の特性上、経験の偏りは避けられません。

つなぐプロジェクトに参加させていただき、福島県立医科大学や順天堂大学でも勉強させていただける機会に恵まれました。実際の留学は次年度ですが、普段経験の不足しているものや苦手としているような分野の診断も勉強させていただき、見識を広めたいと思っております。よろしくお願いいたします。